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梅毒
最も有名な性感染症です。歴史的には新大陸を発見したコロンブスがヨーロッパに持ち帰ったとされます。
スピロヘータの一種である、梅毒トレポーマの感染によって引き起こされる性病です。特効薬であるペニシリンにより流行するほどの病気ではありません。
潜伏期間毎に症状が異なり、3週間程度で初期硬結を引き起こし、その後2週間ほどで陽性反応を起こします。
3ヵ月後には股の付け根のリンパ節の腫れが起こります。腫れは自然に消滅するため、発見が遅れる場合があります。3年後には皮膚に梅毒斑と呼ばれる赤い斑点や発疹、神経炎などの症状が起こります。そのまま放置すると様々な臓器に腫瘍が出来たり、脳や脊髄などを侵して精神障害の症状を引き起こします。
妊婦が感染すると、早産や死産といった影響が出ると共に母子感染する可能性があります。
梅毒は特効薬ペニシリンで完治できます。早期治療するようにしましょう。

淋病(淋疾)
淋菌が感染して起こる性感染症で、性感染症の中では梅毒と同様に有名なものです。
感染の殆どがセックスにより起こります。肛門、直腸にはアナルセックスにより、口腔、咽頭にはオーラルセックスにより感染します。
感染すると、
尿道から黄色のウミがでて、女性は黄色のおりものがでます。女性の場合は、初期症状は、感染後数日で尿道炎または子宮頚管炎を起こすが、男性より症状は軽いので気付かないことも多いのが現状です。膀胱炎を起こしてしまうと、頻尿、排尿痛、残尿感などの症状が出てきます。更に病気が進行すると、子宮内膜炎、卵管炎、子宮周囲炎、骨盤腹膜炎を起こし、腹痛、発熱も伴う事が多く、不妊症の原因と為る事も有り、子宮外妊娠の原因となることもあります。妊娠している場合、子供が病気に侵される可能性があります。また、1度治ったと思っても数ヵ月後に他人に感染させる場合もあります。
抗生物質を数日服用すれば治るので、早期に医師に掛かるようにしましょう。

軟性下疳(なんせいげかん)
日本では珍しくなった病気で、主に発展途上国で見られる性感染症です。
ヘモフィルス・ジュクレー(
Ducrey桿菌)という細菌 が感染して起こります。感染後、3日程度で感染した部分(外陰部等)に痛みを伴う潰瘍(かいよう)や膿疱(うみ)が 出来ます。さらに症状が進行すると鼠径リンパ腺(太股付け根のリンパ腺)が腫脹し、疼痛が著しなり発熱し、破れて潰瘍を作り、接触部に広がっていきます。歩けなくなるほどの激しい痛みを引き起こすケースもあります。 抗生物質により治療できます。

鼠径(そけい)リンパ肉芽種
別名「第四性病」とも言われます。性感染症の梅毒、淋疾(淋病)、軟性下疳(なんせいげかん)の次に位置する事を意味しています。軟性下疳(なんせいげかん)同様に日本ではほとんど見られません。地域的には中南米に多く見られます。
症状は大きく3期に分けられます。感染後、約2週間程度で性器に水疱や潰瘍が現れます。軟性下疳(なんせいげかん)と違い、痛みを伴わないのが特徴です。
感染から約5週間後(2期目:1期目から約3週間後)に
太股付け根のリンパ腺が腫脹し、患部に穴が空き、そこから膿が流れます。感染から1年以上過ぎる(3期目)と直腸や肛門のリンパにまで症状がひろがります。男女とも性器に象皮病のような腫張を生じます。この時、リンパ管の閉塞により、直腸狭窄などの症状が現れます。
ミノサイクリンといった抗生物質の服用によって治療します。